交通事故に遭ったら、入通院による治療や相手方の保険会社との示談交渉など、さまざまな対応が必要になります。また、後遺症が残った場合は、後遺障害の等級認定を受ける手続も必要になります。
しかし、仕事や子育て、介護などで忙しく、こうした手続に割く時間を確保できない方もおられるのではないでしょうか。交通事故後の対応は、弁護士に一任するのがおすすめです。交通事故に強い弁護士なら、損害額や過失割合を正確に判断し、相手方との示談交渉を円滑に進めて、適切な内容で和解できる可能性があります。
この記事では、交通事故に強い弁護士の特徴や探し方、依頼するメリットについてご紹介します。
交通事故に強い弁護士の特徴
弁護士といっても、得意分野はそれぞれ異なります。相続や債務整理、離婚問題の経験が豊富な弁護士もいれば、企業法務や刑事事件の経験が豊富な弁護士もいます。
交通事故に強い弁護士の特徴は以下の4点です。
- 交通事故案件の経験が豊富である
- 後遺障害等級認定に詳しい
- わかりやすく説明してくれる
- 解決の見込みを示してくれる
交通事故案件の経験が豊富である
1つ目の特徴は、交通事故案件の経験が豊富であることです。
交通事故案件をスムーズに解決するには、民法や道路交通法といった法律の知識だけでなく、医療や保険(自動車保険)など、さまざまな分野に精通している必要があります。
特に重視したいのが、損害額の算定や双方の過失割合(当事者それぞれの責任の度合い)に関する知識です。交通事故案件においては、損害額や過失割合をめぐって相手方とトラブルに発展することが多くありますので、柔軟に解決するためには、経験に裏付けされた知識とノウハウが必要になります。
上記の知識やノウハウの有無を確認するために、弁護士との相談の際に、疑問に思うこと、分からないことを積極的に質問したり、過去の解決実績について聞いてみるのがよいと思います。
後遺障害等級認定に詳しい
2つ目の特徴は、後遺障害の等級認定に関する知識や経験が豊富なことです。
治療を継続しても痛みやしびれなどの症状が消失しない場合、後遺障害(後遺症)の等級認定を申請することになります。申請の結果、等級認定が認められると、認定された後遺障害等級に応じた慰謝料や逸失利益(後遺障害の影響で失われた利益)を請求することが可能になります。
後遺障害の等級認定は、書面主義という原則に基づいて審査されます。書面主義は、提出された各種書類の記載内容のみに依拠して審査を行うという考え方です。後遺障害の内容は、後遺障害診断書を含む医療記録などの書類で証明しなければなりませんので、等級認定を申請するにあたっては、どのような書類を準備する必要があるか、後遺障害診断書にどのような事項を記載してもらうのがよいか、といった事項を念頭において対応するのが望ましいといえます。
交通事故に強い弁護士は、こうした等級認定手続に関する知識や経験が豊富ですので、円滑かつ的確に資料を揃えて、等級認定手続の申請を行うことができます。
わかりやすく説明してくれる
3つ目の特徴は、専門用語をなるべく使わず、法律上の問題などをわかりやすく説明できることです。
交通事故問題について、専門用語が多く難しいと感じる方も相当数おられると思います。実際、「症状固定」、「入院付添費」、「労働能力喪失率」、「中間利息控除」、「休車損」といった聞きなれないさまざまな専門用語が登場します。また、怪我については、「外貌醜状」、「神経症状」、「歯科補綴」、「調節機能障害」といった医学的な専門用語もたくさん関係してきます。
交通事故に強い弁護士なら、専門用語を正確に理解し、過去の経験から相談者がどのようなことを疑問に感じるのか、どのように説明すればわかりやすく伝わるかといった点を認識していますので、相談者に対し、噛み砕いた表現で説明することが可能です。難しい専門用語をわかりやすく説明するという点に、弁護士の力量差が現れるといっても過言ではありません。
解決の見込みを示してくれる
4つ目の特徴は、相談終了時に、相談で判明した事実や資料を前提とした解決の見込みを相談者にある程度示せることです。
相談者が訴える被害の中には、損害賠償請求が認められないものが混在していることがよくあります。また、交通事故によって負った怪我の種類や内容や相談時までの入通院状況、治療内容に鑑みて、後遺障害の等級認定が認められる可能性があるかどうかがある程度判断できる場合があります。
交通事故に強い弁護士なら、上記を含む問題となりそうな点を把握して、ある程度、解決の見通しを伝えることが可能です。さらに、この解決の見通しを踏まえた上で、請求できる損害賠償金のおよその額や弁護士に依頼するにあたって必要となる報酬額、後に説明する費用倒れのリスクなどを説明してもらえます。
交通事故問題に強い弁護士をお探しの方は、お気軽にご相談ください!
交通事故に強い弁護士の探し方
交通事故に強い弁護士を探す方法は3つあります。
- インターネットで検索する
- 知人・友人から紹介してもらう
- 法テラス・弁護士会で相談する
知人や友人から紹介を受けられない場合は、インターネットで弁護士事務所を検索するか、法テラスや弁護士会が実施している法律相談を利用して弁護士を探すことが一般的です。
インターネットで検索する
1つ目は、インターネットで弁護士を検索する方法です。
スマートフォンなどの普及に伴い、ホームページを開設する法律事務所が増えています。インターネットで検索すれば、お住まいの地域にある法律事務所や、交通事故に強いとうたっている法律事務所を手軽に探すことが可能です。
また、法律事務所のホームページを通じて、所属している弁護士の氏名や専門分野、過去の解決事例などの情報も得ることができます。
知人・友人から紹介してもらう
2つ目は、知人や友人から弁護士の紹介を受ける方法です。弁護士の知り合いがいる方や、過去に弁護士に依頼した経験のある方が身近にいる場合は、紹介を受けられないか、聞いてみましょう。
知人・友人から紹介を受けるメリットは、弁護士の人柄についての情報を得られることです。その弁護士と実際に接してみてどのように感じたか、依頼した結果に満足しているのかといった点について、知人・友人の話を通じて知ることができます。
事前に弁護士の人となりをある程度把握できますので、安心して問題解決を依頼することが可能といえます。
法テラス・弁護士会で相談する
3つ目は、法テラスや弁護士会に相談し、弁護士の紹介を受ける方法です。
法律相談が可能な窓口は、国が運営する法テラス(日本司法支援センター)や、全国の弁護士会が運営する法律相談センターなどがあります。法テラスは月収や保有資産などの条件がある代わりに、無料で法律相談を受けることが可能です。
こうした相談窓口では、法的トラブルに関する相談だけでなく、その分野に精通した弁護士の紹介を受けることもできます。
交通事故に強い弁護士に依頼するときのチェックポイント
交通事故に強い弁護士に依頼するときは、以下の5つのポイントをチェックしましょう。
- 交通事故案件の解決実績はあるか
- 悩みや不安に寄り添ってくれるか
- 費用倒れにならないか
- 無理に依頼を勧めないか
- 連絡を取りやすいか
交通事故案件の解決実績だけでなく、人柄や弁護士費用、連絡の取りやすさなどを総合的に判断して、納得の上で弁護士に依頼することが大切です。
交通事故案件の解決実績はあるか
1つ目のポイントは、交通事故案件の解決実績がどのくらいあるか、です。
交通事故に遭ったら、加害者側の保険会社と示談交渉を行い、損害賠償金について交渉を重ねていきます。保険会社の担当者は、交通事故案件を毎日のように処理していて豊富な知識を有していますので、保険会社に対応する弁護士側にも、相応の経験やノウハウ、知識が求められます。
弁護士事務所のホームページや、相談・問い合わせなどの際に過去の解決実績を確認しましょう。
悩みや不安に寄り添ってくれるか
2つ目のポイントは、担当する弁護士の人柄です。
交通事故に遭った直後は、精神的なショックが大きく、不安や悩みでいっぱいの方も多いのではないでしょうか。機械的に対応する弁護士ではなく、親身になって寄り添ってくれる弁護士を選ぶと、安心して相談できます。
弁護士との顔合わせの際に、こちらの不安や悩みをくみ取ってくれるような人物かどうかを見極めることが大切です。弁護士との相性も大切ですので、臆せずにいろいろと質問して、相性がいいかどうかも確認するとよいでしょう。
費用倒れにならないか
3つ目のポイントは、弁護士に依頼したことによって費用倒れにならないか、です。費用倒れとは、示談金や保険金よりも弁護士費用の方が高額になってしまい、収支がマイナスになることを指します。
費用倒れを避けるには、事前に弁護士費用の見積もりを取り、どの程度の出費が発生するのかをしっかりと把握しておく必要があります。また、依頼した場合に回収できる損害賠償金のおよその額も、判明している限りで教えてもらうと安心です。
自動車保険によっては、弁護士特約(弁護士費用特約)を利用できる場合があります。弁護士特約を利用すれば、相談料や着手金、報酬金などの費用負担をある程度カバーすることが可能ですので、費用倒れに陥るリスクを減らすことができます。
- 弁護士費用特約について、相談料は10万円まで、弁護士費用は300万円まで負担することを上限としている保険会社が多いようです。これらの金額に鑑みると、重大な後遺障害が残る場合、事故車両が高級車で相当な修理費用を要する場合等の一部の場合を除き、弁護士費用特約で弁護士費用をカバーできるケースは多いでしょう。
無理に依頼を勧めないか
4つ目のポイントは、問い合わせや相談を行った際に、強引に依頼を勧めないか、です。
弁護士への依頼の流れは、まず電話やオンラインを利用して、又は、法律事務所を訪れて初回の相談を行った上で、委任契約を結ぶかどうかを決める形式になります。
経験が豊富で能力の高い弁護士は、強引に依頼を勧めてきませんし、ときには費用倒れになってしまうことを憂慮して依頼を受けないこともあります。一方、強引に依頼を勧める弁護士は、依頼者の意向をくみ取ることができない、相談者の気持ちに寄り添えない、自身の都合を優先するといった問題を抱えている可能性があります。強引に依頼を勧められている、委任契約の締結を急かされている、と感じた場合は、その場で依頼することはせず、いったん保留にして慎重に判断するようにしましょう。また、弁護士と合わないと感じたり、弁護士費用が高すぎると感じた場合も同様です。
連絡を取りやすいか
5つ目のポイントは、弁護士との連絡の取りやすさです。
交通事故後の対応には、治療期間も含めると半年以上かかる場合もあります。その間、打ち合わせや情報共有、書類の送付など、弁護士と多くのやり取りを重ねていくことになります。
コミュニケーションの取りやすさも、弁護士を選ぶ重要なチェックポイントの一つです。電話やメールなどで、こまめに連絡を取ることができる弁護士を選びましょう。
交通事故に関するお悩みは
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交通事故に強い弁護士に依頼するメリット
交通事故に強い弁護士に依頼するメリットは4つあります。
・慰謝料を含む賠償金を増額できる可能性がある
・怪我の治療や仕事に専念できる
・後遺障害等級認定の申請を任せられる
・通院に関するアドバイスをもらえる
弁護士に依頼すれば、事故後の相手方との示談交渉や後遺障害等級認定の申請など、手間のかかる手続を一任することができます。また、通院先の医師にどのような書類を作成してもらえばよいか、どんなことを伝える必要があるかなど、入通院の際にアドバイスを得られるのもメリットです。
慰謝料が増える可能性がある
1つ目のメリットは、慰謝料を含む賠償金を増額できる可能性があるという点です。
賠償金の一部である慰謝料については、最低限の補償のみが行われる自賠責基準、加害者側の保険会社が独自に設ける任意保険基準(保険会社基準)、裁判実務が依拠している弁護士基準(裁判基準)の3つの基準のいずれかによって算定されています。
弁護士に相談すれば、慰謝料が最も高くなる弁護士基準によって慰謝料を算定し、増額交渉を行うことが可能です。
怪我の治療や仕事に専念できる
2つ目のメリットは、時間や労力のかかる手続を弁護士に一任し、怪我の治療や仕事に専念できる点です。
弁護士に依頼しない場合、怪我の治療や日常生活、仕事と並行しながら、保険会社との交渉を進めていかなければなりません。また、運悪く後遺症が残った場合は、後述のとおり、後遺障害の等級認定に向けた手続の申請も必要になり、相当な負担が発生します。
弁護士に相談すれば、こうした交渉や手続を代わりに行ってもらえますので、自身の治療や仕事に専念しやすくなります。
後遺障害等級認定の申請を任せられる
3つ目のメリットは、後遺症が残った場合に、後遺障害等級認定の申請を任せることができる点です。
後遺症に対する賠償を受けるには、後遺障害の等級認定が必要です。しかし、申請にあたって種々の書類を揃えて提出しなければなりませんので、相応の手間が生じます。また、相手方の保険会社に後遺障害の等級認定手続を任せきりにしてしまうと(これを事前認定といいます。)、最低限必要な資料しか提出されず、想定よりも低い等級に認定されてしまうおそれがあります。
弁護士に依頼すれば、これらの手間やリスクを回避することが可能になります。また、医師に後遺障害診断書を作成してもらうにあたって、専門的なアドバイスを受けることも可能です。
通院に関するアドバイスをもらえる
4つ目のメリットは、通院に関するアドバイスをもらえる点です。
通院の頻度が少なかったり、通院が不規則であったり、治療を途中で止めてしまったりすると、示談交渉の際に慰謝料を減額されてしまう可能性があります。弁護士に依頼すれば、通院時に注意すべき事項を教えてもらえますし、医師に対してどのような症状を告げるべきかといったアドバイスを受けることも可能になります。
慰謝料を少しでも増額したい方は、交通事故に強い弁護士を選びましょう。
交通事故後すぐに弁護士に相談すべき?
交通事故に遭ったら、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめします。
保険会社との交渉は、治療継続中に開始される可能性があります。例えば、物損や休業損害に関する交渉です。その後の人身損害に関する本格的な示談交渉に備えるためにも、事故後すぐに弁護士に相談しましょう。
弁護士に相談すべきタイミングや、示談交渉までの流れについて説明します。
弁護士に相談すべきタイミング
交通事故に遭って不安を感じている方、示談交渉の流れをご存じない方、相手方との交渉に自信のない方は、示談交渉が始まる前までに一度、弁護士に相談するとよいでしょう。相談時に適切なアドバイスをもらうことで不安解消に役立ちますし、解決までのおよその道筋を理解することも可能になります。
人身損害(治療費、慰謝料など)に関する本格的な示談交渉は、治療に一定の目処が立ち、症状が変わらない状態(症状固定)になった段階又は治療によって怪我が完治した段階で始まります。しかし、車の修理費などの物損や、事故による収入減少(休業損害)については、治療中に交渉開始となることが一般的です。不安を抱きながら交渉してもうまくいかないことがほとんどですので、早めに弁護士居に相談してアドバイスを受けることを検討しましょう。
弁護士に相談するときの流れ
交通事故に関して、弁護士に相談・依頼する場合の流れは以下のとおりです。
1. 交通事故の発生後、法律事務所にメールや電話で問い合わせて、相談の申し込みをする
2.法律事務所を訪問し、事故の経緯や困っていること、不安に思っていることについて相談する
3.弁護士費用の見積もりを確認し、事件解決を依頼する場合は委任契約を締結する
4.相手方の保険会社に連絡してもらい、以後の交渉を一任する
4.治療や通院、後遺障害の認定などに関して弁護士に相談し、アドバイスを受ける
5.弁護士の指示、助言に従って必要な資料を集めて弁護士に提出する
※相談者本人でなければ取得できない資料があります。
事故後の対応について疑問に思ったことやわからないことがある場合は、すぐに弁護士に相談しましょう。
まとめ
交通事故に遭い、不安や悩みを抱えている方は弁護士に相談しましょう。
交通事故に強い弁護士なら、保険会社との示談交渉はもちろん、後遺障害の等級認定手続や必要書類の準備など、事故後の対応をサポートできます。弁護士を選ぶときは、交通事故案件の実績に加えて、人柄や連絡の取りやすさなども考慮しましょう。
交通事故に強い弁護士をお探しなら、弁護士法人琥珀法律事務所にご相談ください。問題解決に向けて、全力でサポートいたします。
琥珀法律事務所では、交通事故に関する
法律のお悩み全般をご相談いただけます。
【経歴】
2008年 | 弁護士登録 |
2010年 | 主に労働事件を扱う法律事務所に入所 |
2011年 | 刑事事件、労働事件について多数の実績をあげる |
2012年 | 琥珀法律事務所開設東村山市役所法律相談担当 |
2014年 | 青梅市役所法律相談担当 |
2015年 | 弁護士法人化 代表弁護士に就任 |
2022年 | 賃貸不動産経営管理士試験 合格 2級FP技能検定 合格 宅地建物取引士試験 合格 |
2024年 | 保育士試験 合格 (令和5年後期試験) 競売不動産取扱主任者試験 合格(2023年度試験) |
【その他のWeb活動】
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