相続関係の問題について
相続という問題は、金銭や感情などが絡んでくるため難しい問題と言われています。
中には、「死」という悲しみ、故人への気持ちが霞んでしまうほどの悩みに発展してしまう人もいます。
琥珀法律事務所では、悩みを抱えるご本人様はもちろん、ご家族・ご親族、そして故人にとって最良の解決策をできるかぎり追求していきたいと考えております。
相続とはどんなもの?
私たち人間というのは、生まれてからたくさんの人と関わりながら生きていきます。
身近な人がなくなった時、その関わり合いの中で生じるいろんな関係性を精算していかなければなりません。
その点について法律では、故人の持っている関係性をご家族・ご親族の相続人にそのままの形で引き継がせることになっています。
この引き継がせることを「相続」と呼んでいます。
具体的にどういったものを引き継がせるのでしょうか。
例えば、故人が持っていた現金や不動産などの財産。
そして抱えていた借金などが挙げられます。
こういったものなどを誰に引き継がせるのかということが相続というわけです。
遺言と相続分について
先ほどの話からわかるように、相続というのは「人の死」によって発生するものです。
亡くなってからでは、その人が死後どうなってほしいのか聞くことはできません。
そこで故人の財産をどういった形で相続するのかを法律で定めているのです。
法律では、基本的に亡くなった人の法律関係はすべて(一部除く)、相続人全員がそのままの形で引き継ぎます。
そして、その法的ルールの中で、各人がどれくらいの割合で負担するのかが定められています。
これを「相続分」と呼んでいます。
もう一つ、みなさんもテレビなどで聞いたことがある「遺言」というものがあります。
これは、故人が生前に残した「自分の死後どのように引き継いでほしいのか」という意思を遺したものです。
遺言があれば、その内容に従って相続が進められることになります。
相続をどのように進めていくのか。
この問題は、遺言があれば遺言通りに、遺言がなければ法律に従って決められます。
遺産分割について
相続という問題では、「遺産分割」という言葉もよく出てきます。
遺産分割とは、相続人全員で、相続した財産・借金などをどうするのかを決めていくことを言います。
相続は、遺言や相続分に従って決められていきます。
しかしその結果、相続人のものになったところは、相続人が自由に処分することのできる財産になるのです。
法律で決められた相続分というのは、必ずしも絶対のものではありません。
遺産分割により、それぞれの相続人が利益的に良い分配ができるのであれば、それが優先されます。
限定承認・遺留分・特別受益・寄与分について
ここまで話したこと以外にも、相続に関係するいくつかの事柄があります。
その中でも代表的なものが、以下のものです。
・限定承認
・遺留分
・特別受益
・寄与分
限定承認
まず、限定承認についてお話していきます。
本来であれば、相続が始まると法律や遺言に従って、故人の財産が相続人全員に相続されていきます。
そして相続した財産と相続人個人の財産が合わさり、相続人の財産となります。
これは、故人が借金を抱えていた場合、相続人全員で返済をしていかなければならない負債となるのです。限定承認は、上記のような自動引き継ぎを停止し、「相続した財産(財産・借金)と相続人個人の財産」を分けることができます。
具体的にいうと、故人の相続財産である「財産」で「借金」を処理し、余りが出た場合には、その分を相続人が相続することができるのです。
反対に借金が残ってしまったとしても、相続人は相続せず支払う必要はありません。しかし、この限定承認を行うためには、相続人全員が「限定承認をすること」に対して同意する必要があります。
その上で、財産目録の作成、債権者への催告・広告、不動産の競売といったことを行う必要があります。
そのため、必ずしも使いやすい手続きというわけではありません。
遺留分・遺留分減殺請求
相続は、亡くなった方の財産、借金を分配することを言います。
これら相続財産というのは、決して故人1人だけで築き上げたものではありません。
ご家族・ご親族はもちろん、まわりの人たちがいたからこそ築くことができたものです。故人によって生活が支えられていたご家族もいることでしょう。
その家族にとって、十分な支えがなくなる分配方法が取られてしまった場合、その分配方法は亡くなった方の意思とは考え難いです。
つまりその分配方法をできる範囲で修正する機会を用意させる必要があります。そこで法律では、相続人の中の一定の人に対して権利を付与しています。
この権利が付与される一定の人というのは、故人の兄弟姉妹を除く相続人のことを指します。
その権利とは、生活維持に最低限必要な部分であれば、他の人に分配されてものでも取り戻すことのできる権利です。この取り戻せる部分のことを「遺留分」と呼んでいます。
そして、遺留分を取り戻す権利のことを「遺留分減殺請求権」と呼んでいます。遺留分減殺請求権は、相続人間だけではありません。
例えば、遺言で第三者に財産が遺贈されることになった場合でも、その一部分を無効として取り戻すことが可能です。しかし、請求できる期間があります。
・相続開始から滅殺すべき贈与・遺贈の存在を知った時から1年間。
・相続開始から10年以内
特別受益
故人の生前、相続人の一部の人が、他の相続人よりも多く財産を贈与されていた場合、その点を踏まえた上で相続分とするのが公平です。例として、故人が生前に、長男が抱える多額の借金を肩代わりしたとします。
この場合、その長男はすでに故人の財産から多額の利益を得ていることになります。
相続財産を分配する時は、その生前に得た分の財産を差し引いた分が分配されるべきなのです。
この生前に、特別に利益を得ていた部分を特別受益と呼んでいます。
寄与分
先ほども言いましたが、故人の生前、相続人の一部の人が、他の相続人よりも多くの財産を贈与されていた時、それを考慮したうえでの相続分が公平といえます。先ほどとは逆に、故人の生前抱えていた借金を長男が肩代わりしたとします。
この場合には、長男の財産が故人の財産に含まれていると言うことができます。
その部分に関しては、他の相続人に分配されるべきではないということです。
この故人の生前に寄与した部分のことを寄与分と呼んでいます。
相続人は誰かを確認しておこう
ご家族・ご親族が亡くなってしまい相続が発生した時、いくつか確認しておくべきことがあります。
その中でも、まず「相続人は誰なのか」という点を確認しておく必要があります。
なぜかというと、相続人とそれ以外の人では、立場がまったく異なるからです。
相続人は、法律的に生存している人によって変動します。
例えば、相続人が誰か判明した上で、その中にまったく連絡が取れない人がいたり、所在がわからない人がいたりする場合は、それに合わせた配慮が求められます。
遺言の有無
相続は、故人の意思が尊重されます。
しかしそのためには、故人が遺した遺書、遺言の有無を確認する必要があるのです。
さらに遺言と言っても、さまざまな形があります。
法的に有効なものや無効なもの、法的に有効で複数種類あるものなどがあります。
さらに裁判所の検認が必要でしたり、遺言執行者が居たりすることもあります。
もし遺言のようなものが見つかった際には、必ずしっかりと保管するようにしましょう。
また、相続人全員で確認することも必要です。
その上、可能であれば相続人全員で確認する際には、弁護士などを立会人につけるとよいです。
そのほうが、あとになって揉め事に発展するのを防げる可能性が高いです。
遺言書を無断で捨てたり、勝手に内容変更を施してしまったりすると相続資格を失う可能性があります。
また刑事罰に問われる場合もあるので注意しておきましょう。
財産・借金を把握できているかどうか
故人と親族の親密性が低いか高いか関係なく、ご遺族が把握しきれていない財産・借金がある場合があります。
遺言があったとしても、誰の目にも触れられていない財産・借金の有無を確認してみましょう。
相続財産に含まれるのか判別できないものを、1つずつ挙げていくことをおすすめします。
相続人全員がどうしたいのか
遺言があった場合は、その内容に従って相続が行われます。
遺言がない場合は、法律に則って相続分に従い相続が行われていきます。
これらに対して、相続人1人ひとりに異論がないかどうかを確認しなければなりません。
中には、相続をしたくない人がいる場合もあります。
この場合は、相続分を0とする遺産分割をする必要があります。
もしくは、相続が始まり自分が相続人であることを知った時点から3ヶ月以内に裁判所に相続放棄の手続きをする必要があります。
どちらにしても、不動産や車といった相続財産に関しては、相続人名義で登記するのが良いでしょう。
そういったところの対応も忘れないようにしましょう。
琥珀法律事務所ができること
相続問題に対して、琥珀法律事務所ができることとしては、次のようなことが挙げられます。
・相続手続きに関するご相談受付
・遺産分割手続きに関するご相談受付
・相続放棄に関するご相談受付
・遺留分減殺請求に関するご相談受付
このほかにも、さまざまな点でお手伝いすることができます。
ここに記載されていない事柄でもご相談ください。
また、相続問題は、関係者が複数いたり、確認しなければならない関係資料が多数あったりする場合が多いです。
そのため、直接対面での相談でないと回答できないことが多くあります。
まずは、お電話・メールにて、簡単に相談していただき、その後直接対面での相談という形を取らせていただければと思います。
相続手続きに関するご相談受付
琥珀法律事務所では、まずお話を詳しくお伺いし、法的観点からのご回答を差し上げます。
・法律通りに薦めたいけどどうしたらいいのかわからない
・遺言に従って合わせないとダメなのかわからない
・相続人の中に、言うこと聞いてくれない人がいる
相続問題については、ご家族・ご親族間で感情的な争いになることが多いです。
ですから私どもが代理人として介入し、お客様のご要望に合わせて最善策を見つけてまいります。
遺産分割手続きに関するご相談受付
遺産分割手続きの中で、話し合いの埒があかない、相続人全員でどうしたらいいかわからないという場合があります。
この場合は、相続人全員で遺産分割の手続きをすることになるでしょう。
遺産分割に関しては、どのように相続財産を分配していくかを比較的自由に決めることができます。
さまざまな手段を検討した上で、相続人1人ひとりが納得できる結論を出せるよう努めていきます。
話し合いを行った上で遺産分割が成立しなかった場合、調停・審判・訴訟といった法的強制力のある手続きによって、遺産分割手続きすることになります。
遺産分割を含む相続では、さまざまいろんな考慮要素や法的制度があります。
そのため、最適解を導くのが難しいといえます。
しかし依頼人・相続人の方々のお話やご要望を伺い、可能な限り最適解を見つけるようにしていきます。
相続放棄に関するご相談受付
人によっては、さまざまな事情・理由から相続したくないという人もいます。
その場合には、「相続開始から3ヶ月以内」であれば、相続放棄が可能です。
相続放棄をすることで、はじめから相続人でなかったことになります。
つまり相続関係から離脱するということです。
手続き上では、ご本人の裁判所での手続き等が必要になります。
また相続放棄に関しては、相続が開始されてからでないと行うことができません。
そのため、まえもっての放棄を行いたいというご相談受付は難しくなりますのでご了承ください。
遺留分減殺請求に関するご相談受付
故人の兄弟姉妹を除く相続人であれば、遺留分が認められることになります。
しかし遺留分減殺請求権が認められていても、相手がそれに応じてこないといったケースがあります。
こういった際は、弁護士が代理人として入り、説得もしくは法的強制手段の行使を行います。
・遺留分を持っている
・遺留分を持っている場合請求できるのか
・請求できる場合どういった手段になるのか
・その手段がどれくらい有効なのか
こういったことをしっかりと検討し、依頼者とどうしていくかを一緒に決めていきます。